ベスブ石



産地によって結晶構造や色、形が変わります。
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ベスブ石(山北産)
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ベスブ石(長野産)
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菫青石(桜石)
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ベスブ石(イタリア産)
376 x 278 (24 KB)



県指定天然記念物の西丹沢のベスブ石、菫青石(きんせいせき)、
大理石の産地は山北町中川上流の白石沢(しらいしざわ)とザレの
沢です。まずはここまでたどり着くまでが大変なので道順を写真を
もとに説明します。現地探索が難しい理由はこの辺りの詳細な
地図が手に入らないことです。25000分の1の白地図でも始点の
「用木沢出合」がそもそも判りません。沢の名前もほとんど書いて
ないので手がかりがありません。山登りの地図を探してみてもここ
まで詳しいものはありません。インターネットで地図検索しても地名
を見つけることは出来ません。                     

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ゲート前
車の終点です
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用木沢出会
白石峠まで3.8Km
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10分経過
白石峠まで3.5Km
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天然記念物
説明看板
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20分経過
定員一名


現地へのコースは以下の通りです。車で丹沢湖を中川方面に進み
中川温泉を抜け、左側にある天然記念物の箒杉脇をさらに直進し
バスの終点である西丹沢自然教室も通り過ぎ、白石オートキャンプ
場を左に見て、一般車両通行止めの道を更に少し直進していくと橋
の先が車の終点である「用木沢出合」のゲートの手前です。車はここに
駐車します。白石オートキャンプ付近には進行方向右側に犬越路方面
に車で抜ける道がありますが、「用木沢出合」からも犬越路方面に
抜ける山道(東海遊歩道)があります。「用木沢出合」が犬越路と
白石沢方面との分岐点です。犬越路方面(右手)の沢が用木沢です。
標識によるとここから白石峠までは3.8Kmです。監視カメラ付きの
ゲート脇を通り抜けて直進していきます。ゆっくり歩いているので次の
標識までの歩速は時速2kmです。途中の道路右には天然記念物の
くずおれた説明看板があります。『神奈川県指定天然記念物西丹沢
の菫青石及ベスブ石及大理石』の説明は朽ち果てていて半分程しか
読めません。神奈川県教育委員会の方にはぜひとも修理をお願いし
たい所です。説明文があるとこの付近が産地かと思いますが、実は
本当の産地はまだまだ先です。20分経過で定員一名の木橋を渡る
頃から川を左右によぎっては堰堤を何個も越えていきます。     

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30分経過
堰堤脇通過
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30分経過
標識
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35分経過
白石峠まで2.2Km
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40分経過
堰堤脇通過
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40分経過
標識


ここからはひたすら歩きです。沢を何回もよぎったりしますが歩き始
めて35分で白石峠まであと2.2Kmの標識、40分経過頃大きな木
の根方の標識が目に入ります。                     
用木沢の先には道をよぎる手沢をはじめ順にモロクボ沢、水元沢、
大石沢、タゴヤ沢、ザレ沢、白石沢が山梨県堺まで続いています。
橋を見つけたら沢の名前を確認しながら進むと間違いがありません。

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白石沢始点?
急な谷間と滝
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60分経過
白石峠まで1.7Km
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60分経過
ザレの沢の鉄堰堤
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80分経過
右手ザレの沢
左手白石峠
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80分経過
ここから山道


白石峠まであと2Km近くになると沢の左手先の奥の方に3段ほどの
急峻な狭い滝が見えますがこのはるか上流が白石の滝に通じる沢
ではないかと疑っています。とても急過ぎてここから登ることは出来
ないので現状確認が出来ていませんが気になる沢です。      
60分ほど歩くと白石峠まであと1.7Kmの標識です。やはり時速2km
です。良く目立つザレの沢の2段の鉄の堰堤は懸命に大石落下を
防いでいます。結局80分ほど掛かって白石峠とザレの沢の分岐点
に到着です。そっけない標識でザレの沢は書いてないのでなのでここ
が分岐だということが判りません。ここから左手の白石峠方面に向う
と川がどんどん下方に離れて細くきつい登りの山道がずっと続きます。
菫青石(きんせいせき)を主に探す場合はけもの道程度の道を沢沿い
にそのまま右手方面に登っていきます。分岐点が良く判らない場合
に参考となるのは堰堤にある施工プレートです。少し下って堰堤の
プレートを望遠で眺めて『ザレノ沢』と書いてある沢は既にザレの沢
に入り込んでいます。                           

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110分経過
白石滝の標識
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110分経過
白石の滝プレート
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杉林の先に
白石の滝遠望
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白石滝上から5分
休憩テーブル
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沢沿いに登山
木橋


分岐から急な山道をゆっくり登ること30分ほどで白石滝(大理石の滝)
の黄色の標識、プレートのはるか下方先に白石の滝が見えます。  
この滝ツボの下が「鉱物採集フィールドガイド」によればベスブ石の
宝庫だそうです。この文献では良く判りませんでしたが、黄色の  
標識から道沿いに僅か10m程下った路肩にスカルンの大露頭があり
ます。文献では方解石に埋もれた新鮮なベスブ石が見られるとあり 
ますが、現在は風化が進んでしまい単なる土の崖です。岩にも見えま
せん。路肩の崖を慎重に見ていくとわずかに結晶の形が所々にある 
ことが判る程度ですが、そこから崩壊した結晶が山道にもいくつか 
転がっているのをこれもなめるように探すと見つかります。2009
年から2010年にかけてこれらの状況を調べて写真にも撮りました
が、自宅PCが壊れてしまったため写真はすべてなくなってしまいま
した。掲載出来ない事が残念です。               
この調査の際にもやはり私にはどうしてもこの標識付近から滝つぼ
に降りられそうなルートは見つけらずに滝つぼ下への下降は断念し
ました。あまりに急な谷あいで下には断崖絶壁が控えていて危険す
ぎます。100m位のロープと登山用具が欲しくなるような場所です。
是非とも誰か安全なルートを開拓して下さい。黄色の標識から少し
歩くとすぐに滝の真上に到着しますがここから眺めても滝つぼには
とても降りられません。怖いです。  
滝上から更に沢沿いというより谷の中を登っていくと白石峠方面です。
沢を渡らなければいけない場所には石にペンキで方向を示す印が
ついているのでそれが参考になります。              

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白石滝上から15分
白石峠まで0.4Km
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急な谷間を遡上
大石は大理石
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標識から3分後
急峻な雪渓登攀
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谷間遡上
大理石の道
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標識から25分後
白石峠登頂


白石の滝上から15分、白石峠まであと0.4Kmの標識が見えたらあと
一息だと普通は思いますが、この0.4Kmはとんでもない難所です。
完全に谷の合間を遡るという難行です。大石がごろごろしていますが
これがことごとく天然記念物の真っ白な大理石です。特に私が出掛け
たのが3月初旬だったためここは雪の崖になっていました。それでも
0.4Kmの標識から25分で白石峠に到着することが出来ました。時速
1Kmです。夏に行けば大理石は見放題です。あまり多すぎて有り難味
は少し薄れてしまうかもしれません。                    

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ベスブ石標本
西丹沢自然教室展示品
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ベスブ石標本
地球博物館展示品
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ベスブ石標本
地球博物館展示品
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ベスブ石標本
地球博物館所蔵


ベスブ石の標本は丹沢湖上流の中川方面に向かう途中にある西丹沢
自然教室(バス終点)や小田原市入生田にある神奈川県立生命の星
(地球博物館)で展示されているのでそちらで見ることが出来ます。また
丹沢湖永歳橋近くにある丹沢湖記念館にもベスブ石が展示されています。
西丹沢自然教室ではベスブ石だけでなく大理石と菫青石(きんせいせき)
も直に手で触れることが出来ます。地球博物館ではガラスケースの中
の展示品のほかに通路に大きな標本が展示されていてそれは自由に
触ることが出来ます。上記の3枚の写真では結晶の様子が良く判らない
ため、4枚目の写真には地球博物館から発行されている「かながわの
自然図鑑@岩石・鉱物・地層」の写真の一部を転載しています。

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ベスブ石(丹沢湖記念館)
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ベスブ石(丹沢湖記念館)
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ベスブ石(ザレの沢)
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ベスブ石(ザレの沢)
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ベスブ石(ザレの沢)
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08年3月の探索では結局フィールドでベスブ石の現物を見つけることは
出来ませんでした。「鉱物採集フィールド・ガイド」によればベスブ石はザレ
の沢の左手の斜面を10分ほども登ったあたりにも多数転がっているとの
記載があります。11/23の休日にはこれを手がかりにして再度探索に
出掛けました。2時間ほども2人がかりで見つけて回りましたがやはり
見つける事が出来ません。諦めかけてザレの沢堰堤近くまで下りて来て
ついに念願のベスブ石を発見しました。菫青石(きんせいせき)に比べると
格段に小さな塊でしたが確かな結晶が認められます。上には丹沢湖の
永歳橋近くにある丹沢湖記念館で写した2葉の写真とザレの沢フィールド
で見つけた現物の写真3枚を掲載しています。               


<道順>
公共の交通機関で行く場合は、小田急線「新松田駅」から富士急
バス「西丹沢自然教室」行き「箒沢」下車。ここから徒歩となります
が登り坂で6Kmほどの距離がありますので大変です。車の場合
は国道246号線を山北「清水橋」右折、丹沢湖方面へ神奈川県道
76号線(箒沢隧道)を直進、中川温泉から約3Kmで箒杉公園を
左に見ながら更に4Kmほど直進した行き止まりが犬越路分岐点
で現在車はこれ以上進めません。ここの駐車スペースは数台で
すが上手に停めて下さい。ここから白石の滝(左)方面に2Km程
が目指す白石沢、ザレの沢のある場所です。


<関連HP>
『神奈川県丹沢・ザレの沢のいぼ石(菫青石)』
『神奈川県丹沢・白石沢のベスブ石』