県指定天然記念物山北町人遠のネフロレピディナを含む石灰岩



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7/26(日)に皆瀬川で門田先生が主催するサンゴ化石観測会が行わ 
れるという情報を得て急遽一緒に参加させていただきました。人遠橋   
の上流が天然物の指定区域ですが、今回の観測会は橋の下流地域   
です。連日の不安定な天候の影響で沢はかなり増水していました。    
長靴を履いていましたが結局は川を渡渉する時に深い場所で靴の中   
までずぶ濡れとなってしまいました。目的のサンゴ化石と有孔虫につい  
てはいくつかの場所で実物を詳しく説明していただき現地で初めて    
現物確認をすることが出来ました。先生の話によると事前に岩につい   
ているコケを落としたりして見やすくしているそうです。また沢への登り   
下り用にザイルを2本も事前に配備していました。参加者は親子連れ   
約70名ほどでしたが沢遊びといった感じで皆楽しんでいました。     
有孔虫(ネフロレピディナ)もわざわざ見つけて場所をマーキングまで   
して戴きやっと確認が出来た次第です。感謝です。             
なお、観測会の当日に森林館に新たに有孔虫の集合化石を設置して  
来たということでした。いずれまた見にいきたいと思います。        
「Fossil CORAL REEF in the ROCK of TANZAWA」丹沢の化石サンゴ礁 
という欲しかった本も先生から直接購入することが出来ました。この   
本には今回の観測会で見たアオサンゴやキクメイシサンゴなども紹介  
がされています。                                 
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県指定天然記念物『山北町人遠のネフロレピディナを含む
石灰岩』は山北町皆瀬川中流の人遠奥の山中にあります。
現地の探索をするには最低でもゴム長靴、軍手、帽子と
いった山歩きの格好が必要です。出来ればヘルメットが
あると良いかもしれません。また山北駅から人遠橋までは
約4Km強の距離ですが、3Kmほどの区間はほとんど人家
も自販機も無い山中なので飲食物は駅付近で購入してお
きましょう。さて詳細な道順です。山北駅から旧道の246号
線を西方向に約1Km行くと左右の分かれ道になりますが、
左側すぐの鉄道陸橋を認めたら右方向の山中へと進んで
行きます。東名高速の赤い大きな橋下を通過しそのまま
皆瀬川沿いに道なりに3Kmほど進みます。途中の目標物
は浄水場と市間橋くらいしかありません。

皆瀬川支流より人遠橋を望むsiryuu_thumb.jpg


人遠橋のすぐ手前の車道脇に天然記念物を説明した看板
があります。神奈川県教育委員会が昭和55年に設置した
ものです。しかし目立たない看板なので、よほど注意してい
ないと見落としてしまうかも知れません。

天然記念物看板s_kanban_thumb.jpg


人遠橋のすぐ上に車を停めてそこから川に下ります。川
は人遠橋のすぐ上で八丁方面に向かう本流(道なりの方向)
と左側に向かう支流に分かれていますので、支流の方向
に踏み込んでいきます。観光案内によればこの支流の名前
はヤドイリノ沢と言うようです。この先が字(あざ)アコヤと
呼ばれるネフロレピディナを含む石灰岩の産地です。町の
資料や丹沢の化石に詳しい門田先生のHPなどの情報に
よれば川沿いの石の中にもネフロレピディナを含むさま
ざまな化石が見つかるそうです。人遠橋のすぐ付近でも
見られるという確かな証言もありますが、残念ながら私は
まだ見つけ切れていません。

支流奥の堰堤entei1_thumb.jpg


この支流には通常は簡単に渡れる程しか水は流れていま
せん。しかし両岸が崖になっているような箇所ばかりです。
そのため少し進むとすぐに次々と堰堤に突き当たります。
川から離れつかれずけもの道程度の山道が途中までは
続いていますが、幅も狭く崖崩落の危険もかなりあります。

支流奥の堰堤entei2_thumb.jpg


堰堤を5つばかりも通り過ぎるほど上まで登ってみました
が調査団が残したと思われる目印が随所に見られます。
支流は500mほど進んだ所で2本に分かれています。
最も特徴的な化石を含む石灰岩はこの左岸の先にある
のではないかと思っていますが残念ながらまだそこまで
調査しきれていません。

皆瀬川産出サンゴ化石sango1_thumb.jpg



<交通機関>
公共の交通機関で行く場合は、御殿場線「山北駅」から皆瀬川を
上流方向に徒歩で約1時間半。人遠橋より支流を遡上。
車利用の場合は御殿場線「山北駅」から県道76号線を御殿場方面
へ、県道725号線に入り皆瀬川を上流に向かって走ります。目的
地周辺となる人遠橋は、山北駅から約20分です。

<関連HP>
『門田真人 先生のページ』
門田先生は丹沢でサンゴの化石とオウムガイの化石を発見し、この
証拠から「丹沢山地はかつてサンゴやオウムガイが棲む南の火山島
であり、フィリピン海プレートの北上によって本州に衝突したもの」と
する説を提唱しました。今ではこの考え方は広く受入れられています。
プレートテクトニクスを神奈川県の成り立ちに当てはめて理論を構築
した先生の功績は大きなものがあります。